最近、ゲームにっきと並び、こちらの記事をまったく書いてなかったんですが、「もう書かないんですか?」というメールをいただいたので、はりきって書きます。(単純)
今回は、タイの殺人者シーウィーについて書こうと思います。…またえらくマニアックな人を取り上げてしまいました。この人は、タイに詳しい人だったら結構知ってる方は多いと思いますが、彼が起こしたショッキングな事件とはうらはらに、本などにもほとんど載っていないので、おそらく「誰だ?」という方のが多いと思います。
わしがシーウィーの存在を知ったのは、バックパッカーの方の本を読んでいて「タイにあるシリラート法医学博物館に行った」という内容を見てからです。ちなみに、シリラート法医学博物館とは日本にあれば、まず大問題になるような、とんでもないものがオンパレードの博物館です。(別名悪趣味博物館といっても過言ではないかも)
例えば、殺人者のロウ漬けした死体とか、シャム双生児のホルマリンとか、殺人事件の被害者の服とか写真とか、そういったモノがたくさん展示されてるらしいです。
らしい、というのはわしはまだ行ったことがなく、ネットや本で見たことしかないからです。いつか行ってみたいんですけどね(←まだでたよ)ちなみに、You tubeとかでも、ここの映像を見ることができます。(ただしかなりグロいので、そっち系がダメな人は絶対に見ないように。また映像と一緒に流れるBGMが怖いんだわ、これが。。汗)
で、ここの博物館、別名“シーウィー博物館”と呼ばれてるらしいんです。というのも、シーウィーのロウ漬けの死体が展示されているからです。
このシーウィー、なぜ死んだ後、こんな所でさらし者になっているのか、シーウィーとはいったいどんな人物だったのでしょうか?
1946年のタイに、中国からある1人の若者がやってきました。彼の名はシーウィー・セウン。(またはリーフィ)中国の南にある貧しい田舎で育った彼は、タイにいる親戚を頼り、この国で一旗あげようと、単身タイへとやってきたのでした。
彼は幼い頃から、たびたびいじめにあっていたそうですが、タイでも同じようないじめを受けるようになってしまいます。「ここに来ても、また俺はいじめられる。。大人だけでなく、子どもたちからも馬鹿にされる。。。」
また、慣れない仕事でミスをするたびに、同僚や上司に罵倒され、時には殴られる事さえありました。
そういった心のストレスもあったからでしょうか、元々あまり体力がなかった事に加え、持病の喘息が悪化したりと、彼は次第に追い詰められていきます。
それがいつから彼の頭の中に芽生え始めたのかは分かりません。ある考えが、彼の頭の支配をするようになります。ある考えとは・・・・
彼がその話をどこで聞いたのかははっきりしません。「幼い頃、近所の老人に聞いた」「地元で広まった噂を聞いた」いろんな説があります。それは、「人肉を食べると、体力的にも精神的にも強くなり、不老不死のパワーが得られるらしい」というもの。
普通の人だったら「んな馬鹿な」と笑い飛ばしてしまう所ですが、こんな常軌を逸したとんでもない話を、彼は信じるようになっていきます。
「人肉さえ食べれば、俺はきっと強くなれるはずだ!…しかし、体力も知能もない自分がどうやって人肉を手に入れるというのだろう?とても出来ない。いや、待てよ、大人はダメでも子どもなら何とかなるかもしれない!!」
そして1954年4月、彼は8歳の少女を殺そうとしますが、結局未遂に終わってしまいます。その後、ホヒン・ラヨンやプラチュア・プキリカーンをなどを行き来しながら、ついに初めての殺人に手を染めてしまいます。
最初の被害者は中国人の10歳の少女でした。祭りの人ごみに紛れて連れ出し、首を切り殺害。その後、ナイフで腹を割き、心臓と肝臓を持ち去りました。そのまま家にとんで帰ると、持ち帰ったそれを、鍋で煮て食したのでした。
「(それを食べて)強くなった気がした」彼はその後も、5歳の少女、7歳の少女と次々に殺害、もちろん殺した後は、臓器を持ち去り食べる事を忘れませんでした。
こうしてシーウィーは3年間の間に、少女5人、少年1人の計6人を殺害したのでした。
そして、1957年(1958年という説もある)2月、ついに彼は逮捕されます。
逮捕のきっかけは「地元民からの通報」「最後の犠牲者の死体を隠している所を警察に見つかって」などの説があります。取調べ室で彼は「強くなりたかったんだ」と話したといわれています。そして彼の自白の内容に、人々は涙し、憤りました。
1959年6月(9月16日の説もある)、銃殺刑にて死亡。
その後、中国政府は彼の遺体の引取りを要請しましたが、タイ政府はこれを拒否。その後彼の遺体は「頭の中の状態を調べるため」解剖に回され、そして今現在までシリラート博物館で真っ黒のロウ漬けとなり、展示されているのです。
なぜ彼の遺体は埋葬されず、今もなお博物館で展示されているのかといえば、タイ政府により「死刑にした後も、供養する価値はない」という判断がくだされたため。
シーウィーに関しては、本当に資料(本)がない。「国内でちょっとでも取り上げた本ってあるんやろうか?」ってくらい、見つけるのが困難でした。だから、シーウィーについて書いてある本でわしが持っているのは1冊だけ。
・「実録!マーダーウォッチャー」(洋泉社ムック)
ただこれも、シーウィーのページは3ページのみです。あとは国内外の殺人事件などについて、いくつか取り上げてあります。
シーウィーに関する本って、他に出てたりするんでしょうか?もし知っている方がいたら、ぜひ教えていただきたいです。ちなみに2004年に、タイではこのシーウィーの事件が映画化されているそうです。
こちら↓シリラート博物館の事が載っています。ちなみにシーウィーのロウ漬けの写真もあり。(他にもかなりグロイ写真がありますので、心臓の弱い方は見ないように。)
http://www.bangkoknavi.com/miru/miru.php?id=14
☆追記☆
2010年に入り、コメントいただいた方からシーウィーの映画の情報をいただき、念願かなって最近見ることが出来たのですが、こちらはわしが思うにグロさはほぼありません。それよりも何よりも、可哀想な彼の生い立ちに同情せざるを得ないといいますか…見終わった後は、なんとも切ない気持になります。。。
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