八仙飯店一家殺人事件
先日の記事でも書いた『八仙飯店一家殺人事件』について、書きたいと思います。
えー・・・・今日の記事内容にはグロテスクやショッキングな内容が多々含まれます。そういうのが駄目な方は本当に見ない事をオススメ致します・・・。
この事件は、香港スプラッター映画の『八仙飯店人肉饅頭』のモデルになった事件でもあります。この記事を書く為に、Youtubeで見ましたが『うわっ、イタイイタイ!!』という表現が結構あり(女性の私は大事な部分に束の割り箸?と差し込まれて殺される女性の場面で思わず背筋がぞくっとしてしまった。。。汗)
ご飯を食べながら見なくてヨカッタ。。。と思った作品でした。主役の犯人を演じたアンソニー・ウォンの鬼畜っぷりったら!しかし香港映画って。。。時に『・・・いいの?!汗』という表現が結構ある気がするのですが、気のせい?
それでも『黒い太陽731』には遠く及ばなかったけども・・・・。あれは本当によく世の中に出せたなと思うくらいの作品でした・・・。731部隊の鬼畜っぷりをこれでもか!!という位ブッ込んだ映画ですが、内容もしかり、驚くべき点は、作中の人体解剖のシーンで本物の死体(しかも少年ですよ!!)を使うわ、猫を生きたまま鼠に食べさせるわ(これも特撮ではなく、本物の猫を飢えた鼠の群れに放り投げたそうです・・・動物愛護団体から何も言われなかったのだろうか??)、人道外れまくりの映画でした。
私は前述した事実を知らずに見て、その後『あのシーンのアレが実は本物だった』と聞いて凍りつきました・・・・・。もう二度と見る事はあるまい。つか、見た事を後悔した映画って、後にも先にもこれだけかもしれないってくらい、本当におぞましかった。
何で見たのかって?大学の卒論のテーマを『731部隊』にしてたから、参考までにと思ってみたのですよ・・・。
さて、本題。
事の発端は、1985年の8月8日、海水浴に来ていた客が、砂浜で8つのバラバラになった人間の体の一部(手や膝下だけの足等)を発見し、警察に通報した事であった。その内4つは右の掌であり、被害者は少なくとも4人であると確認された。
当初は鮫に襲われたとの見方もあったが、傷口が綺麗に整っていることから(鮫などに襲われた場合、歯型などがつき、傷口は比較的損傷している)、殺人事件に巻き込まれた可能性が高いとの判断を下した。また、その後更に3つの部位が見つかった。
しかしいずれも腐乱がひどく、警察も身元を特定できずにいた。
それから8ヵ月後の1986年4月、警察署にとある人物からの手紙が届く。これが後にこの事件が明るみになるキッカケとなった。それは『私の兄はマカオで長いこと商売をしていたが、去年の8月以頃、兄とその家族(計10名)が失踪してしまった。しかも兄の店や不動産は、近くに住む黄という男に乗っ取られてしまっている。もしやと思うが8月に見つかったというバラバラ殺人と何か関連があるのではないかと心配している、どうか調べて欲しい』
差出人は行方不明になっている八仙飯店の店主の鄭林(50歳)の弟であった。
事件の舞台となった八仙飯店。小さな食堂といった感じの佇まいである。
ちなみに飯店は現在中国語で『ホテル』の意味であるであるが、ここは食堂だったようだ。西洋文化が入ってきて、詳しい話は忘れたが、後に『飯店』はホテルの意味になったとか何とか。
話を戻す。
弟は更に『1985年の7月に、兄は2人の幼い娘を連れて故郷に遊びに帰ってきました。それ以来ずっと音信不通なんです』と続けた。
当初警察は、同じく行方不明になっている鄭林の妻である岑惠儀(42歳)と、店を乗っ取っているという黄が不倫関係にあり、二人で共謀し家族を殺害、店や不動産の権利を2人で乗っ取ったという見方をしていたが、その妻も依然として行方が知れなかった。
そこで警察は押収された掌から再度指紋を採取してみることにした。するとその内のひとつの指紋が行方不明となっている10名の内の、妻の叔母にあたる陳麗珍の指紋と非常に酷似していたのである。
また、八仙飯店に肉を卸していた業者からも興味深い証言が取れた。
『8月4日の午後に、オーナーの鄭林さんから注文を頂いて、肉を卸しに行きました。その時店内にいつもと変わった様子はありませんでした。でも次の日に同じく注文頂いていた肉を届けにいくと、シャッターが閉まっていて店の前には”3日間休業します”という張り紙が貼ってありました。注文を受けたのにおかしいなと思い、家の方に行ってみたのですが、そこには全然知らない男性がいて、“ああ、彼らは今、珠海(地名)に遊びに行っている”と言われたんです』
警察はこの男が何らかの事情を知っていると見て、調査。彼の名前は黃志恆。八仙飯店の近くに住む男であり、この店主とよく賭けマージャン等もしており、交流があったという。
その後警察の調べで、黄の名前が偽名であることが判明する。本名は陳梓梁という名前であった。彼は広東省出身で、過去に犯罪歴があり(放火及び殺人)、それを隠す為か自分の指紋は全て焼き消していたというから驚く。その後、黄という苗字の女性と結婚し、名前を変えていた。
犯行については頑なに否認し、『店や不動産は賭けマージャンの代償として私が譲り受けたものだ』『一家は大陸に移住した』等と供述したが、そのような形跡はどこにもなく、警察はこの男が事件に関わっていると確信、取調べを続けた。また黄の自宅金庫から、オーナーの鄭林の預金通帳、娘の出生届4通、学生証の写し等いくつかの書類が見つかり、黄の犯行はほぼ間違いないと断定された。
容疑を否定していた黄であったが、その後少しずつ自白を始める。
やはり事件の原因となったのは、金の返済をめぐってだったという。賭けマージャン、賭けトランプ等で度々交流のあった被害者と黄だが(妻やコックらも時々参加していたようだ)、被害者は金を返さなかったり、少しだけ返し、それに黄が文句を言うと、『借用書もないだろうが!』食って掛かるという事もあったようである。
殺害した日も、黄は八仙飯店で賭け事をしていたが、またも負けた金を鄭林が払わなかった事で口論となり、怒り狂った黄は、その場にあったビール瓶を叩きつけ、それを鄭林の息子の首筋に突きつけた。それで『お互いを縛れ!!』と怒鳴った。彼らは言うとおりにしていたが、途中鄭林の妻が子供を抱いて泣き叫び、外に出ようとしたため、割れたビール瓶で頭を殴り殺害してしまう。
そうなるともう歯止めが利かなくなり、その場にいた9人を次々に殺害していった。店内は血の海と化した・・・・。
その時、鄭林の息子が『叔母さんが警察に通報してくれるから、オマエは絶対つかまる!』と叫んだ。一家を殺した後、『子供が熱を出した』と自宅にいた叔母に電話し、店に呼び出してから、この叔母も殺害したという。
当時の新聞
犠牲者。右上からオーナーの鄭林、その妻、5人の子供達(18歳、12歳、10歳、9歳、7歳)、叔母(60歳)、妻の母(70歳)、働いていたコック(61歳)
彼らの死体を解体し、黒いビニール袋に詰め、遺棄した・・・・。
映画の肉饅頭にしたというのは、監督の創作であり、実際に黄の口からそのような証言は無かったようだ。ただ、今でも遺体が全て見つかっているわけではないため、犯行が行われた後も店が通常通りに営業していた為、そのような脚色がされたのではないだろうか。しかし同じ時期に収容されていた囚人の中には『スープにしたと聞いた』と証言したものもおり、世間はこのうわさに大いに沸いた。だが・・・真相は闇に葬られてしまった。黄が獄中で自殺してしまったからだ。
監獄内で炭酸飲料のプルトップで手首を切り、自殺した。その前にも一度自殺未遂を起こしていた。1度目はすぐに発見され助かったが、2度目は助からなかった。そばには遺書、喘息薬、ポルノ雑誌が置かれていたという・・・。
また収監されてからの黄は、幻覚を見て大声をあげたり、大便小便を漏らしたり、独り言を延々とつぶやいていたり、精神を徐々に蝕まれていたようだ。
ちなみに彼の遺書の中には『自分は無実だ、警察に脅されて認めさせられただけである』『妻と子の心配』等が綴られていたという。
しかし1点だけ疑問が残る。叔母が店に呼び出された時、隣人の証言によるとタクシーには30歳くらいの男性が一緒に乗っていたという。これが黄の共犯だったのか、それとも叔母とともに犠牲者の一人となった誰かなのか、今となっては分からないのである・・・。。
※記事は台湾及び中国、香港のサイトを見て訳しております。翻訳に間違い等あれば、ご指摘くださいませ。
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あ~~~!!これ見たことあるわ!!!
うっわ~~~><気持ち悪い!!
こうやって新聞にも載っていたんだねぇ。。
すごいリアル。。。世の中迂闊にマージャンもできないや。。
投稿: hana | 2015年7月27日 (月) 15時15分
>hanaちゃん
コメント謝謝です☆
多分この映画って、見た事はなくてもパッケージは見た事ある人も多いよね。
なんかこれをきっかけに『人肉チャーシュー』やら『人肉ラーメン』とかまであるらしいよ。でもそれくらい世間が衝撃を受けた事件だったんだろうね。
子供まで全員手にかけるって。。。本当考えられないね。
投稿: ちぃ | 2015年7月27日 (月) 20時01分