実は私は3年前に、当時住んでいた家のドアで足の指を思いっきり挟んでしまった。その時の痛さたるや・・・・
まさに全身を雷に撃たれたかのような激痛が走り・・・
数分間足を押さえて蹲ってしまった・・・。その後そーっと足の指を見てみると、血は出なかったものの、つめの真ん中辺りにヒビのような物が入ってしまい、爪が少し内出血し、変色してしまっていた。そこですぐに病院に行くべきだとは思ったのだが、その当時彼氏だった旦那の、
「あー、これ抜かれるよ。」
という恐怖の一言に縮み上がってしまい、結局いかなかったのだ。
あのときに行っておけば良かったのだ・・・。それから毎年夏になると、変色した自分の足の親指を眺めることになり、憂鬱な気分になった。ペディキュアで誤魔化してはいたのだが、何となく気分は晴れない。ペディキュアを落とすと、気持ちの悪い色の爪が顔を出す・・・。そんなこんなで3年の月日が経過してしまっていた。
あの日以来、私の右足親指の爪は伸びなくなり、代わりに見かけが爪水虫のような状態になってしまった。爪がのびなくなったかわりに、ぶつけた部分だけが少しずつ盛り上がってくるようになり、色も茶色を帯びてきて、益々気持ちの悪いことになってきた。それでも爪やすりで度々磨いていたのだが、その粉がこれまた臭いのである。なんていうか膿のような臭いがするのである。
↑こんな感じ。
「もう自分の足の爪を見るたびに憂鬱になるのは嫌だし、病院に行ってみることにするよ」と旦那に力なく告げると、旦那が休みの日に病院に付き添ってくれた。それが今日だったのである。
病院に行く1週間前から私は恐怖で毎日恐れおののいていた。「明日の今頃はもう抜かれてるんだなぁ。。。」「抜いたらどれくらい痛いのかなぁ・・・」と真っ青な顔で場所を問わずつぶやく姿はたいそう不気味であった事だろう。旦那は以前驚かせたことを悪いと思ったのか、私がここまで怖がっているとは思わなかったようで「大丈夫だから、俺もついていくし」とその度に慰めてくれていた。
さてそんなわけで月曜日、ネットで予約を取り、
亜東医院という大きめの大学病院にいく事にした。その辺の整形外科より設備とかも良いだろうから、という旦那の提案によるものだ。
亜東医院にいくのは初めてだったが、その大きさと綺麗さに驚いた!!台北市内の病院でもここまで大きく綺麗な所はそうそうないのではないかしら。
そうこうしている内に順番が来て診察室へ。
「なんでもっと早く来なかったんだ、ばかやろう!!」と怒鳴られたらどうしよう・・・とドキドキしながらこれまでの状況を先生に話した。
「あー、これはたぶん当時の怪我が思ったよりひどかったんだろうね。そのせいで爪が生えてこなくなっちゃってるんだな。このままでも特に心配はないけど、女性はミュールとかサンダルを履くときに気になるよね。それで来たんでしょう?」
先生も看護婦さんもすごく優しくてとりあえずホッとしたが、そのあとに続いた言葉に私は恐怖でおののいてしまった。
「もう一度爪が綺麗にはえてくることを望むなら、一度抜かないといけないよ。」
「あ、あの~~・・・・やっぱり痛いんですかね」
「うん、それはやっぱり痛いだろうね。でも心配しなくてもちゃんと強めの麻酔はするよ。ただねぇ、その麻酔が一番痛いんだよね。」
「麻酔をして手術をしている間も痛みはあんまり無いだろうけど、そのあと麻酔がきれたら当然痛むし血も出るから、2、3日は安静にしないといけないよ」
「傷が塞がるまでしばらくかかるけど、術後本当に痛いのは、2,3日というところだと思うよ。それから・・・新しい爪が完全な状態になるまでは今年の末くらいになると思うよ。」
聞いているだけで冷や汗が出てきた・・・。
でも・・・今日は決心を決めて来たわけだし・・・。
「先生、あの・・・今日ここでその処置をできるんですか?」
「ここで??できない事もないけど、ここだと麻酔ないから、大絶叫して泣き叫ぶと思うよ。」
「はははは、冗談はさておき(先生っ、笑えないっ、笑えないですよォォォ!!涙)、治療をするなら麻酔をして、手術室で処置をしないといけないから手術になるよ。どうする?日にちを決めるかい?」
「うーん・・・・・・・・・・・。」
抜かなくてもそこから腐るわけではないのだし・・・・抜かなくてもいいかなぁ・・・・。でもずっとこのままの爪だと嫌だなぁ・・・・少し考えるべきかなぁ・・・・
と不安な顔で横についてくれていた旦那を見つめる。するとそれに応えるように旦那が頷き、旦那は先生に
「えーと、じゃあ17日にして貰えますか?俺その日仕事休みで、付き添えるので」
あ゛~~~~~~そっ、そうじゃないよ!!!!!今まだ迷ってて!!!って・・・・決めちゃったよ、この人は!!!!!
よし、それならと先生も資料を作成し始めたので、私はもう何もいえなくなってしまった。
ううう・・・・そうだ・・・本来今日抜くつもりできたのではないか・・・。もうこうなれば清水の舞台から飛び降りるしかない・・・・。もういくしかないのだ・・・。
そんなこんなで私の手術は17日に決まった。「これを手術日にもってきてね」と手術同意書なるものを渡され、それに署名をしていかなくてはならない。そして、手術の項目に
「抜指甲(足の爪を抜く)」
と書かれてあり、改めて真っ青になってしまった・・・・・。
帰り道でも怖いよぅとつぶやく私に旦那は「大丈夫、すぐに終わるよ、麻酔もしてくれるし。でもちぃは本当に指先とか足の指とかの怪我にすごく敏感というか、すごく怖がるよね。どうして??」
そう。。。私も不思議なのだ。私は指先や足の爪の箇所の痛みというものが昔からすごく怖い。旦那が横で指のササクレをとろうとしていれば「ヒーーー!やめてぇぇぇ!!」と叫び旦那の手を押さえてしまう。(今思い出しても背筋がぞわぞわする)
映画とか漫画の拷問シーンで爪をはぐシーンなんぞあれば、冗談でも何でもなく、真っ青になってしまい、途中で止めて先に進めなくなってしまう。書くのも嫌だが昔、浦安鉄筋家族の中で、なんとかいう漫画家が主人公の弟に生爪まで全部爪きりで切られる、というシーンがあったが、今思い出しても「あ゛あ゛っ!!
」と叫んで頭を抱え込みたくなるほどだ。本当に駄目なのだ。
逆に旦那は指とか足とかは平気らしいが、切腹または手術の開腹手術等)のシーンがどうしても駄目らしい。ちなみに私はそっちは全然平気だ。
だから私たち夫婦の間では、旦那は前世切腹か何かで死に、私は拷問か何かで爪を剥がれたのかも、という結論に至っている。苦笑
なんだか今年は子宮頚に続き、足の爪と手術年になってしまっているなぁ・・・。
ちなみに前者の手術のときは先生から「ほとんど痛みはないから」と言われ安心して行って、ぎゃあああああ!!!!という痛みに襲われたのであるが、今回はどうであろうか・・・。痛いと言われていたからやっぱり痛いんだろうなぁ・・・。
17日が本当に恐ろしい・・・・。たかが爪、されど爪なのである。
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