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白色恐怖(228事件)

本日台湾は228記念日ということで祝日でした。

 
 

祝日は嬉しい。でもこの背景に起きた228事件の内容を知ると、素直に『休日嬉しい!』という気持ちにはなれなかったりする・・・。


恥ずかしい事だけど、台湾に長年住んでいながら、228事件というワードは聞いた事があっても、内容を聞かれるとしっかり説明できずにいた私。記念館にも足を運んだ事があるというのに・・・・汗 

 
 
 
 
228事件に関しては、ネットでも書籍でもたくさんの方が詳しく書かれているから、ここで再度詳しい説明をする事はしません。だけど228事件までの歴史的背景を、ものすごーく簡単に説明するとこんな感じです。 
 
 
 
 
① 日清戦争に日本が勝利し、下関条約で台湾は日本に割譲され、日本による統治が始まる 
 
↓ 
 
 
② 1945年、日本が敗戦。これを機に日本は台湾から去る
 
 
↓ 
 
③ ちょうどその頃、時同じくして、蒋介石率いる国民党が中国大陸から台湾にやってくる 
 
 
↓ 
 
 
④ 当初は本省人(台湾に元々すんでいた人達)も『やっと祖国の軍隊が戻ってきた!これからは誰にも統治されず、自由に暮らせる~♪』と喜び、彼らの来台を歓迎したが、やがて目に余る振る舞いが目立つようになり、彼らの腐敗しきった姿に絶望する。というのも殺人、強奪、強姦は当たり前。しかもそれが罪に問われない事もしばしば。また外省人(中国から来た蒋介石が連れてきた人達)が上記の行為を行っても新聞等で本名を出すことを禁止したりもした。 
 
当時の台湾人たちは『狗去豬來(犬が去り豚が来た)』と揶揄した。犬は日本、豬は中国を指す。つまりは『犬はうるさくても番犬として役に立つ。しかし豚はただ貪り食うのみ、役立たず』という意味である。 
 
 
 
⑤ 1947年2月27日、闇タバコを売っていたシングルマザーの女性を中華民国の官憲が摘発。女性は土下座して謝罪したが、官憲たちは彼女を殴りつけ、怪我をさせたばかりか、持っていたお金と品物を没収した。たくさんの人がこの流れを見守っていたが、人が集まってきたため、官憲は威嚇射撃を行うが、この際、民衆の男性の一人に流れ弾が当たり、殺害してしまう。 
 
↓ 
 
⑥ ⑤の出来事をきっかけに、それまで我慢していた民衆の怒りが爆発。28日は抗議のデモ隊が市庁舎へおしかけたが、憲兵隊は彼らに向かって機関銃で一斉射撃を行い、多くの民間人を死亡させた。  
 
↓ 
 
これがすなわち、228事件
 
 
 
 
 
 
 
 
 
本日の題名の『白色恐怖』。これは台湾では、蒋介石の軍隊による恐怖統治の事を指すのです。  
 
 
 
蒋介石が台湾統治を開始すると、本省人に対し、それまで使っていた日本語(日本統治時代、台湾は日本語が公用語となっていた)、台湾語(ホーロー語)を禁止し、国語(普通話)のみを使うよう強制した。そして蒋介石率いる国民党に対して意見したり、反政府とみなされる行為を行った人々を逮捕したり処刑した。  
 
 
 
この時期、一般の民衆はもちろん、たくさんの学者や教授、教師、お金持ち等がむちゃくちゃな理由をつけられ、無実の罪を着せられ、殺害された。(何かこの辺り、ポルポトを連想させるな・・・)  
 
むちゃくちゃ理由というのは、たとえばお金持ちなら、無実の罪を着せて財産等を没収したり。(お金持ちが狙われたのはこういう理由らしい) 教授や教師なら、反政府的な発言をした、反政府的な本を読んだ(←もちろん一切そんなつもりがないような事でも、でっちあげたりしたらしい)という理由で逮捕され、拷問、また処刑されたりしたのだそうだ。
 
 
 
 
旦那いわく、この時期はものすごくわかりやすく形容すると、『現在の北朝鮮のような感じ』ということらしい。本当の事は誰も言えず、保身のため、身内を売るような事もしばしばあったのだそうだ。  
 
 
ちなみにこの白色恐怖は1987年、蒋介石の息子、蒋経国があとを継いだのち解除された。 
 
 
 
 
 
 
 
今の台湾の姿からは、こんな悲惨な歴史は、とてもじゃないけど想像つかなかったな・・・。
 
 
 
 
 
台湾には親日が多いと言われるけど、これもこのような歴史的背景が大きく関係していることはまず間違いない。なんていうか・・・日本に統治されていた時代も色々な規制があったり、決して自由ではなかったけれど、その後がもっとひどすぎたから、日本統治時代が更によく思えるというか。 
 
 
 
以前引越し会社に勤めていた時に、ドライバーの楊さんがよく歴史や政治の話をしてくれたのだが、度々日本統治時代の話になるとこう言っていた。 
 
 
 
私の父と母は日本統治時代の生まれだったから、日本語も上手に話せたんだ。父も母もよく言ってたよ。日本人の統治は確かに厳しい事もあった。でも彼らは秩序を保ち、礼儀正しかったと。いたずらに民間人に乱暴を働くなんて絶対しなかったとも言っていた。日本人が統治していなかったら、台湾の今の発展は絶対にない。建築、電気や水道なんかも全部日本人がもたらしてくれたものだ。だから私の両親も日本が好きだと言っていた。そんな話を聞いて育ったから私も日本が好きなんだ。そして国民党は嫌いだ。父も母も国民党への不満をよく洩らしていた。彼らがどんなにひどい事をしてきたかということも。』 
 
 
また最近知ったことだが、旦那も1度だけおばあさんから統治時代の事を聞いた事があるらしい。大学か何かのレポートの課題の為に話を聞いたらしいが(おばあ様が生きている時に、もっと詳しく聞いておいて欲しかったよ~~)『日本人にいじめられたりとかしなかった?』と聞いたとき、『そんな事は、1度だってされた事はなかったよ』と話してくれたらしい。『だからぜんぜん日本人に対して嫌な感情を持ってるって感じじゃなかったし、むしろ好意的だったと思うよ。でもまさか孫の嫁が日本人になるなんて考えもしなかったんじゃないかな。天国でびっくりしてるかもね。笑』 
 
 
 
もちろんセデック・バレの映画のように、日本人だってみんながみんな良い人ではないから、いじめたりした事も少なからずあっただろう。霧社事件が起こったのも、そういう背景からですしね。 
 
でも幸いにというか、私の周りでは友達のおじい様、おばあ様しかり、日本人が嫌いだ、迫害を受けたという人はいないのがせめてもの救い・・・。
 
 
 
 
 
それにしてもそんな背景があるのにも関わらず、あの立派な中正記念堂がある事に何となく違和感を感じてしまうわ。だって中正記念堂は蒋介石を祭ってある場所ですからねぇ。 
 
上記を旦那に伝えると、『だってこの台湾にはそのとき蒋介石が連れてきた国民党や官僚、外省人の祖先が今でもたくさんいるんだよ?彼らは本省人から財産のっとって、ものすごく良い暮らしができたわけだから、そりゃ蒋介石を崇めるよ。つまり今の国民党は彼らの祖先か、その時代から洗脳された本省人の祖先の集まりなんだよ。だから国民党のやつは中国と統一を望んでるやつが多いんだよ』と聞いて、なるほどぉ~~と納得。 
 
 
 
だから毎年228の祝日には中正記念堂は開放しないんだよ。だってもし開放してたら、絶対抗議デモの民衆があそこに集まるのは目に見えてるでしょ?』 
 
 
 
なるほどぉ~~~と再度納得。  
 
 
 
 
それにしても、何で台湾に長く住んで、今さら228事件について詳しく知りたいと思ったか? 
 
 
1つは、台湾と日本の両方の血を引く、これから生まれてくる息子に、それぞれの国の正しい歴史を知って欲しいと思ったから。台湾の歴史は旦那に任せておいても良いんだろうけど、台湾に住む身として、台湾と日本のハーフである息子を持つ母としても、私も知っておくべきことなんじゃないかなと思ったから。もっと早く知っとけよとも思うけど。それに私が知ったことなんて、歴史のほんの一部なのだろうけれど・・・。  
 
 
ちょっと買い物に出かけてくるねって出て行ったきりかもしれない。夜ぐっすり眠っている所を突然かもしれない。家族が出て行って、もしくは連れて行かれて、そのまま二度と会えないなんて誰が想像できたと思う?』 
 
という旦那の言葉に胸が痛くなった・・・。
 
 
 
犠牲者の数ははっきりとは分からないらしいが、2万人から3万人と言われている。
 
 
 
 
 
もう1つは、最近台湾で大きな話題になっている台湾産ホラーゲームがあります。タイトルは『返校』。これは学校に帰る、という意味。最近このゲームにハマっているわたくし。 
 
 
 
このゲームについての詳しい内容は次回の記事にでも書きたいと思いますが、このゲームの時代背景はまさにこの『白色恐怖』の時代であり、もちろん内容にも大きく絡んで来るのです。そんなわけでたまに出てくる言葉や会話に、これ何?どういう意味?どうして?という事があり、調べてみるとこの白色恐怖と関連している言葉や出来事だったりして。 
 
 
今年の1月の中旬くらいに発売されたばかりなので、2月28日の少し前に発売されたのにも、何か意味があったのかなぁと思ったりね・・・。 
 
 
 
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コメント

返校のネタバレから素晴らしい記事にたどり着いてしまいました。今は自由に見えるお隣の台湾にもつい最近までそんな時代があったとは。。こういった話を聞くと権力って怖いなーって思います。日本も台湾も平和が長く続いていくといいですね。


>とおりすがりさん

コメント謝謝です^^&はじめまして。

ずいぶん前に『とおりすがり』さんというハンドルネームの方から、中傷的なコメントをいただいた事があるので一瞬身構えてしまったのですが(笑)、全然違う方でホッとしましたwとっても嬉しいコメント有難うございます☆

ゲームを通して、台湾の歴史に興味を持ち、わざわざこちらの記事も読んでいただき嬉しいです^^

今は日本も台湾も平和ですが、こういう時代がそんなに昔のことではないことがびっくりですよね。このような歴史は二度とあってはならないこと。こういう背景を知ると、平和の大切さを改めて考えてしまいますよね。

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