先日、道を歩いていて突然私の肩に乗ってきた鳥さん(クロヒヨドリ)を保護した我が家。
その後、私が台湾の愛鳥掲示板で呼びかけた所、全部で4組の方から、『うちの子かもしれない。見に行きたい』という連絡を頂きました。
その① お母さんと娘さん親子
いなくなってしまったのは、ちょうど1年前の1月頃。自分の家族同様に可愛がっており、お母さんは仕事先にも連れて行き、事務所の中で放し飼いしていたらしい。フンも決まった所にしかせず、お客さんにもすぐ懐いてしまうため、会社の中でもみんなから可愛がって貰っていたチュウチュウくん。そんなある日、宅配業者のお兄さんが荷物を抱えて入ってきた時に、その荷物に驚きパニックを起こしてしまい、そのままお兄さんが入ってきたドアから飛んでいってしまったそう。
ポスターを貼ったり配ったり、いなくなった最初の1ヶ月は雨が降ろうが風が吹こうが、毎日探し続け、娘さんは泣き暮らしていたそう。お母さんは疲労と心労で寝込んでしまったこともあったそう。息子として本当に可愛がって来たので、どうかお願いします。是非あわせて下さいと土曜日の朝に連絡が来ました。
その② 一人暮らしの女性Aさん
もう2年も前にいなくなってしまったそうなのだが、どうしても忘れられないと何と龍澤の方からわざわざ見に行きますと仰った方。こちらはヒナの時に部屋の窓から誤って逃げてしまい、それっきりだそう。この方からも土曜の朝に連絡が来ました。
その③ ご夫婦
この方の鳥さんも約2年前に失踪。車で外出する際は一緒に連れて行ったり、いまだにいなくなった子の写真をFBの写真に設定している事からも、大事にしていた事がうかがえる。この方からも、土曜日の朝に連絡が来ました。
余談ですが、①の方と鳥仲間だったそうで、その後お二方は一緒に我が家に確認に来ることになります。
その④ 主婦Bさん
この方は連絡をくださったのですが、結局見には来られなかった方。というのも『私は市政府の方に住んでいるから、いくらなんでも距離が遠すぎますよね・・・。それにあの子がいなくなったのはもう4年も前です・・・だからきっと違います・・・。でももしかしてと毎回いなくなったという話を聞くと、つい連絡をしてしまいます。試しに○○と名前を呼びかけて頂けませんか?それで反応だけを見てください(残念ながら反応はありませんでした)。だけど、もし誰も引き取り手がいないようなら、ぜひ連絡を下さい。大事にしますから』という連絡でした。
この方は一番最後、日曜日の夜に連絡が来ました。
(土曜日)
朝、旦那と近くのカフェで朝食をとっていると、①~③の方から連絡が来る。すぐにでも会いたいという①の方とは午後に約束、②の方は仕事の関係で月曜日じゃないと休めないという事で月曜日の午後に、③の方は仕事のスケジュールを見てまたすぐに連絡するということになり、午後になり①のお母さんと娘さんが見に来た。
一目見てそっくりだ!と二人とも驚いていた。このクロヒヨドリという鳥、ネットで画像を見て貰えれば分かるのだが、本当に外見で見分けがつきにくい。とはいえ、やはりここの毛が、足の爪が等、飼い主にしか分からない特徴があるらしい。それからやはり一羽一羽好きなもの、しぐさ、癖などが違うので、それで判断するのだそう。
またこの子しかしなかったという遊びもしだしたから、それを見たお母さんも娘さんも泣き出してしまった。『なんとなく声が違うような気はするんです・・・あとは自分の名前を言えなくなってるし・・・。でもそれ以外は本当にあの子なんです』というお母さんに、旦那が『おそらくこの人懐っこさからして、あなたの所から逃げた後に、少なくとも別の方に1度飼われていると思います。栄養状態も良好ですし。そうなると声を真似たりしますから、声が若干変わったり、名前を言えなくなってもおかしくはないんじゃないでしょうか。うちの子もずっと言わない言葉だと、忘れちゃったりしますから』と。
『あの子が好きだったエサを持ってきたんです』と差し出すと、びっくりするくらいの勢いで食べだした。『あれから1年ほど経ってますから、100%あの子ですとは言えないです。でも・・・本当にそっくりです。ずっと今まで目撃情報があるたびに見に行っては落胆して帰ってきていたんです。でも今回は・・・今度こそあの子かもしれない・・・』と。
すぐにでもつれて帰りたい様子ではあったのですが、私たちはあと3組とも約束をしていたため、『最後の方が確認に来られて、皆さん違うようなら必ず連絡します』と伝えると、『どうか、どうかよろしくお願いします』と何度も頭を下げられていた。
しかし、お母さんと娘さんと対面した際の、鳥さんのずいぶんなれた様子だったこと。とはいえ、この子は基本本当に誰に対しても愛想を振りまくので、あとの方との反応も見てみようと旦那と話す。
(日曜日)
③のご夫婦から連絡があり、夜に見に来ることになる。その時に私の携帯に①のお母さんと娘さんから連絡が入る。実は③の方とは友達だそうで、今日良ければもう1度一緒にお邪魔させていただいても良いか?いなくなった鳥さんの兄弟を連れて行きたいというのでもちろんと快諾。夜に①のお母さんと娘さん、③のご夫婦が見に来た。
やっぱり飼い主さんには分かるのだろう。③のご夫婦は一目見て、『あ、違います・・・私の家の子は女の子だったんですけど、この子はたぶんオスですね。それに若い』と。どうやらこのクロヒヨドリさん、大人になればなるほど手とくちばしがまっかっかになるらしい。私が保護した子はまだ若干濃いオレンジ色だったから、おそらく1年ちょっとくらいではないかと。
さて、①の親子が連れてきた兄弟と対面するも、鳥さん怖がって全然近づかない。忘れちゃったのかなぁ・・・と少しさびしそうな様子。しかもこの日はどうやら人が多いことにびっくりしてしまったようで、旦那と私の肩にすぐに飛んできてしまう。
とはいえ、①のお母さんと娘さんからは『何度もしつこくてごめんなさい。でも本当に気になって気になって。明日までが長いです・・・』と。我が家もタピと愛玉は自分の子供同様に可愛がっているから、気持ちはよく分かるので、そんな事気にしなくて良いんですよというと、とてもうれしそうだった。
(月曜日)
いよいよ最後の②の方がご来宅。しかしこちらもやはり飼い主・・・一目見て、違う・・・と落胆した様子。分かってはいたけれど・・・と。『いつかきっと会えると信じていますよ・・・』というと、有り難う・・・と悲しそうな様子で帰って行かれました。
さて、この時点ですぐに①のお母様にご連絡。『全員確認に来られましたが、皆さん違うそうです。どうぞ引取りにいらしてください。お渡しします』というと、『昨日の夜もずっと眠れなくて・・・。もう二度と会えないと思っていたのに・・・。あなた方があの子を助けてくださったお陰です。本当に本当に有り難う。感謝してもしきれません』と涙を流されていた。
約束したのは夜8時。それまでなるべく外に出してあげて、一緒に遊んでいたのだけれど、この子は本当に人懐っこくて、甘えん坊で可愛らしい。
やっと待ちに待っていたお家に帰れるのに。あんなにこの子を愛している家族がいるのに。分かっているんだけど、やはり3日も一緒にいれば情も移りますね。。。しかもこんなに可愛らしい性格なら尚更。私めちゃくちゃ号泣。旦那からは『おいおい、オーバーだなぁ。笑』と笑われたけど、やっぱり寂しいですよ。
とはいえ、やっとお家に帰れるんだもの。この子の帰りをあんなに楽しみに待っているご家族がいるんだもの。しっかりお返ししますとも。
夜の8時と同時にピンポーーン。おそらくもう少し前から待たれていたのだと思う。
『一緒に帰ろう!』とお母さんと娘さんが迎えに来てくれましたよ。『本当に本当に有り難うございました。今度こそ大事に大事にしますから。お約束します』と何度も何度も繰り返し仰られていた。
昨日の緊張ぶりとはうって変わり、今日は自分からすすんでお母さんと娘さんに寄り添っていっていたから、やっぱり昨日は人が多くて緊張してしまっていたみたい。苦笑
その後、家に帰り着きましたーーと連絡が来て。。。
おもちゃを噛んだり、飛び回ったり、とっても嬉しそうにしています。こうして少しずつ思い出してくれると思いますという内容で、私たちも一安心☆
その後も、『この子に会いたい時はいつでも言って下さいね。つれてきますし、うちにも是非遊びに来てください』と仰ってくださった。
良かった良かった☆と旦那と喜び合ったけど、その後掃除をしていると、鳥さんが飛ばして遊んでいたエサが一粒出てきて、また泣いてしまい、また泣いてるーー彼は今とっても幸せで元気なんだから泣く必要ないでしょっと旦那から苦笑いされてしまった。
3日間バタバタしたけど、鳥さんもご家族も幸せな気持ちになれたのなら、本当に良かった。
旦那『俺たち次は何を拾うんだろうね・・・』
さー何でしょうね。でもこんな風に素敵な出会いもあるから、案外悪くないかもね?笑
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