一昨日くらい前からかな?こちらの新聞で連日報道されているとあるニュースがある。
とある男性にフラれた女性が自ら命を絶ってしまったというもの。こちらでは失恋を苦に自殺のニュースって本当に多いなと思う。日本でもあるんだろうけど、たぶん台湾には遠く及ばない気がする。そのくらい本当に多い。
話が逸れたけど、それにも関わらずどうしてこのニュースがこんなにもずっと報道されているのか。それはこの男というのがまぁ絵に描いたような下衆男だという事と、彼女の自殺時の状態が特殊だったからであろう。
この男、実は売れないモデル。だから当然お金だってそんなにあるわけじゃない。にも関わらず高級車を乗りまわし、そこそこ良い部屋に一人暮らしをしていたという。実はそのお金を負担していたのは他でもない今回自殺した女性だったらしい。
↑この立派な(←※皮肉です。)刺青を入れるお金もすべて彼女が負担したんだってさ。
彼女は愛する人との結婚をずっと夢見ていた。だから彼の夢を応援するために、金銭的な援助を惜しまなかったようである(そのために彼女は借金をしていたという話もある)。
しかし付き合い始めて1年ほど経った頃、男はある女性モデルと出会う。その女性の実家というのが両親共に企業経営者であり、かなり裕福だったらしい。それを知った男はどうしたか?さっさとそちらに乗り換えたのだ。
ここまでならまだよくある話・・・ではないけれど、まぁいるよな、こんな下衆男っていう話なのだけれど、この男の下衆っぷりはこれに留まらない。LINEで彼女に別れを告げたのだが、その時の会話の内容がまぁひどい。
『俺、最近新しい彼女が出来たんだよ。彼女の家は君の家よりずっと金持ちなんだ』
『彼女の家に行くんだ。あとで彼女の家の写真をお前にも送ってやるよ。じっくり拝みな。あ、それからラインはブロックさせて貰うからな。』
これは・・・・下衆い・・・・・・・。これがこれまで尽くしてくれた彼女にかける言葉だろうか?
そして絶望した彼女は、翌日自ら命を絶ってしまったのである・・・。
彼女は長かった髪をすべて剃り落とし、赤い服を身にまとい、首を吊っていたのである。
私にはこの意味がよく分からなかった。そこで旦那さんに聞いて、初めて台湾(というか中華圏なのかな)にこのような考え方があるのを知った。
なぜ赤い服を着て自殺したのか?実は赤い服を着て死ぬと、死んだ後に怨霊になると言われているんだそうだ。つまり何かしら深い恨みがあり、その恨みを晴らしたい相手を憑き殺したい・・・そんな人が赤い服を着て自殺をするのだという。
まさか!と思って調べてみると、なんと過去にもこういう赤い服を着て自殺をした例がいくつか出てきた。しかも全員に共通しているのが殺したいほど憎い相手がいたということ、そして過去の例も、自殺をしたのは全て女性だったということだ。その中の女性の遺書の一文には震え上がってしまった。自分を捨てた男に対し、『怨霊になって、一生付き纏ってやるわ。一生離れない』。
ちなみにどうして赤い服なのかという事を調べてみたのだが、一説には赤には本来霊をはじく?力があると信じられていて、普通の幽霊は赤い色を恐れるのだという。しかし赤い服を着て死んだ場合、赤い色を怖がらない幽霊になるという言い伝えがあるらしい。
そういえば関係ないけど、ちょっと前にこちらで『紅衣小女孩(赤い服の少女)』というホラー映画があったなぁ。予告編がつまらなそうだな・・・と思って結局見てないけど。
この赤い服の少女の幽霊の話(というかとあるビデオに写ったやつだったかな)も台湾人なら皆知っているかなり有名らしい。
話は下衆男に戻るが、このニュースが報道されてから、彼のFB(現在は削除されているらしい)には批判や脅迫のコメントが相次いだらしい。それに対し、
『俺は彼女を愛していたんだ』
『占いにいったら、元々彼女とは今世では結ばれない運命で、来世で結ばれると言われた。これは運命だった』
『新たに彼女の名前の刺青を入れてきた。愛してない女の名前の刺青を入れたりすると思うか?俺は彼女を愛しているんだ』
等と書き込み、これがますます火に油を注ぐ結果になったらしい。
火消しに回ったつもりだろうが、見事逆効果である(色々と残念な人だよな、この人)。
おまけにニュースではしっかりモザイクがかけられて、名前もふせてあったけど、ネットでは彼の本名も顔写真も全て出回ってしまっている。ネット社会恐るべし・・・・。
今回自殺した彼女、モザイクがかかっているけど、美人そうな人である。全身写真もあったがスタイルも良い。それなのになんでこんな男に惹かれてしまったのだろう。彼女ならいくらでも、もっと良い男に出会えたと思うのに。(といろんな人が書いていたな。私もそう思った)本当に馬鹿だよ。こんな男に、あなたの命をかけるような、そんな価値ないよ・・・。
『男生不壞,女生不愛』という言葉がある。これを直訳すると『悪い男性じゃないのなら、女性は愛さない』になる。つまりは悪い男ほど、女性は惹かれてしまうということ。
・・・まぁね・・・これはなんとなく分かる気がします。女性なら経験ある人多いんじゃないかなぁ。こいつ本当どうしようもない奴やけど、でも何でか好き!!みたいな。
ちなみに旦那は、『人の念って怖いからね。ましてや恨みの象徴である赤い服を着て、自殺をされたんだからたまらないだろうな。この男、保身もあるけどそれ以上に彼女の深い恨みの念に気づいて怖くなったんだろうね。』
もうひとつ、私には彼女が髪を剃った理由が分からなかったんだけど、旦那いわく、『髪は女の命だっていうじゃないか。愛していた人に捨てられて、もう女でいる意味は無い。私には必要ないって思ったんだと思う。』ということらしい・・・。
同じ女性として、非常に切ない気持ちになったニュースでした。
最近のコメント